サナエコイン騒動で、ひとつ気になることがあります。
「中心人物」と名指しされていた京都大学教授・藤井聡氏が、3月3日に出した声明の内容です。
声明では「プロジェクトの説明を受け、趣旨に賛同した」と書いています。
でも以前の動画では、藤井教授自身がこう語っていました。
「溝口さんに、これやったらどうか?と提案させていただいた」——。
「説明を受けた」と「提案した」は、まったく逆の話です。この記事では、その矛盾を中心に整理してみます。
そもそも藤井聡教授って何者?
京都大学大学院工学研究科の教授で、専門は土木工学・公共政策です。第二次安倍政権では内閣官房参与を務めた経歴もあり、政治との距離が近い学者として知られています。
高市早苗氏とも「親交が深い」と溝口氏が明言していました。NoBorder番組にも出演・協力しており、今回のプロジェクトでは「中心人物」として名前が出ていた人物です。
それだけに、炎上後も沈黙を続けていたことが不思議がられていました。
声明の内容——何を「認めて」、何を「否定した」のか
このたび「Sanae Token」に関して様々なご指摘がなされておりますので、当方の立場をご説明いたします。
当方は、「Japan Is…
— 藤井聡 (@SF_SatoshiFujii) March 3, 2026
3月3日、藤井教授はXに声明を投稿しました。長い文章なので、ポイントを整理します。
認めたこと
- 「Japan is Back」プロジェクトの趣旨に賛同し、ボランティアとして無償で協力していた
- トークンの名称(SANAE)について、プロジェクト関係者に確認した上で協力した
- 結果として誤解や混乱を招いたことは「重く受け止めている」
否定したこと
- トークンの発行・供給・販売には関与していない
- 高市首相がトークンを承認しているとの説明を受けた事実はない
- 投資・投機を推奨する目的で関与した事実はない
「事後的に認識した」と言ったこと
- トークンがアプリ内活動と独立して発行され、発行時点で大量に外部市場へ供給されていたこと
つまりこういう整理になります。「プロジェクトの趣旨は知っていた。名前を使うことも知っていた。でもコインが市場に大量放出されることは知らなかった」。
この声明、よく読むと「絶妙」なんです
個人的な感想を言うと、この声明はかなり慎重に設計されていると思います。
「関与していない」「知らされていなかった」という言葉を並べながら、同時に「重く受け止めている」という言葉で責任感も示している。完全な被害者でも、完全な加担者でもない絶妙なポジションです。
読んだ瞬間、正直「うまいな」と思いました。
でも同時に、引っかかる点もありました。
声明の中に「名称に関しては、プロジェクト関係者に確認の上で協力をいたしました」という一文があります。
現職首相の名前を冠したトークンの名称に「確認の上で協力した」。
これはどういう意味でしょうか。「名前を使っていいか確認した」ということは、少なくともそのトークンに「SANAE」という名をつけることを、事前に了承していたということになります。
「市場への供給は知らなかった」としても、「現職首相の名前を使ったコインが作られること」には関与していたわけです。
声明と過去の発言が、食い違っている
画像引用元:https://x.com/yamahata1000nen/status/2028520772302782888
ここが今回の発言で自身が気になったポイントです。
藤井教授の声明には「Japan is Backプロジェクトが多様な政治的意見を集約するという趣旨の取り組みであるとの説明を受け、その趣旨に賛同した」と書かれています。
「説明を受けた側」つまり受け身の参加者として自分を位置づけています。
ところが、NoBorderの動画の中で藤井教授自身がこう発言していました。
「これは一度社会実験として形にしてみてはどうかということで、溝口さんにもね、これやったらどうか?と。まあそんなことで提案させていただいた」
「説明を受けた」と「提案した」は、まったく逆の立場です。
これを読んで、あれ?と思った人は多かったと思います。私もそのひとりです。
声明を読んだだけでは「藤井教授は誘われた側だった」という印象になります。
でも動画での発言を合わせると、むしろ「藤井教授が溝口氏に持ちかけた側だった」可能性が出てきます。
SNS上ではこの点に多くの人が反応し、「言い出しっぺは貴方やん」「さすがに無理がある」という声が出ています。

藤井教授がどちらの立場だったのかは、本人からのさらなる説明が必要です。ただ少なくとも、声明の書き方と過去の発言の間には、無視できないズレがあります。
「知らなかった」で免責されるのか
藤井教授の声明で繰り返されるのが「知らなかった」「事後的に認識した」という言葉です。
でも、ここで一つ考えてほしいのです。
高市首相と親交のある京大教授が「中心人物」として名前を出され、プロジェクトに協力し、名称にも関与した。その結果として多くの投資家が「公的なつながりがある」と誤解して損失を被りました。
「自分はコインの発行には関わっていない」という言葉は事実かもしれません。でも「自分の名前と立場がどう使われるか」については、もう少し慎重になれたのではないかな?そういう見方もできます。
特に「高市さんとも親交の深い藤井教授が牽引している」という溝口氏の説明が、投資家の誤解を生む大きな材料になっていたことを考えると、「知らなかったから無関係」とは簡単には言い切れないように感じます。
「ボランティア・無償」という言葉の意味
もう一点、声明の中で気になった言葉があります。「ボランティアの形で無償で協力した」という部分です。
これは「経済的利益を得ていない」ということを強調しているのだと思います。金銭的な関与がなければ、法的な責任も問われにくいという判断があるのかもしれません。
ただ、投資家が損失を被った理由の一つは「著名な京大教授が関わっているプロジェクトだから信頼した」という部分にあります。
金銭を受け取っていなくても、「名前と信用を提供した」ということにはなります。
お金の問題と、信用の問題は、別の話です。
この件で気になるポイント
藤井教授の声明を読んで、「なるほど、知らなかったんだな」と感じる人もいると思います。実際にそうなのかもしれません。
でも今回の騒動の構造を整理すると、こうなります。
- 溝口氏:プロジェクトを推進し、炎上後に「ちょっと待ってて」と投稿
- 高市首相:「全く知りません」と全面否定
- チームサナエ:「首相の承認を受けていない」と後から釈明
- 藤井教授:「趣旨には賛同。でも市場放出は知らなかった」と声明
全員が「自分は知らなかった」「自分は直接関与していない」といった類のことを言っています。
これだけ読むと、なんだか不思議な気持ちになります。関係者がこれだけいて、誰も「やった」と言わない。
でも損失を被った投資家は実在します。「誰も悪くない」では済まない話のはずです。
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まとめ
藤井聡教授は今回、「被害者に近い立場」として声明を出しました。
その内容が事実であれば、確かにかなり気の毒な面もあります。
ただ「高市氏と親交の深い京大教授が牽引している」という言葉が、どれだけ多くの人の判断に影響を与えたか計り知れません。
金融庁の調査が進む中で、今後さらに関係者の説明が求められる場面が出てくるはずです。引き続き注目していきます。
※ 本記事は藤井聡氏の公開声明および報道をもとに事実を整理したものです。声明内容はX上に投稿されたものを参照しています。現時点で確定していない事実も含まれますので、今後の情報をあわせてご確認ください。

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